下関の水 おもしろ塾❸ 水にまつわる伝説 功山寺名水

 春の桜、秋紅葉。功山寺は人をひきつける四季に富んでいます。
仏殿は下関市に二つある国宝のうちのひとつだ。因みにもうひとつは、住吉神社の
本殿です。
仏殿は、毛利元就に追われた大内義長が自刃したところ。
幕末に時代が移れば、高杉晋作が倒幕の挙兵をしたところでもあります。このよう
に歴史のなかでもよく知られた功山寺。
この寺に残された井戸が名水と言われています。
 さて、本堂前の庭の一角に古い井戸があります。春の終わりころには「しだれ桜」

の花姿を映したりする風情を楽しめるそうです。以下は、井戸の説明板から引用し
ます。
 (前略)武運つたなく動乱の中 滅亡した大内義長が末期の安堵を得た水。幕末
に功山寺に潜居中の五卿や従者、回天義挙の兵を挙げた高杉晋作はじめ諸隊士もこ
の名水を愛飲して挙兵の成功を祈ったのである。今この名水は絶えることなく歴史
の証人として、また生命の水として、参拝に訪れる多くの人々に飲まれている。」

  と功山寺名水由来が記されています。また、この井戸の脇には「洗心功徳水」と
認められる石碑があります。
人々に、どのように愛でられた名水か、その様子をうかがうことができます。
この石碑は乃木希典と桂弥一が建てたものです。建立当時は功山寺の墓地の一角に
あったものを、その後いまの位置に移設されたそうです。

下関の水おもしろ塾コラム 浅井仁志
参考文献/ 下関市水道百年史
 
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